チャットボットの導入方法・選び方を解説!無料のサービスも紹介
更新日 2025年02月27日
チャットボットの導入期間は、一般的に1週間から3ヶ月ほどです。しかし、導入方法や選び方を誤ると、予想以上に時間がかかることがあります。せっかく業務効率化や顧客対応の自動化を目指して導入するチャットボットも、スムーズに運用できなければ期待していた効果を得ることができません。
そこで本記事では、チャットボットの導入方法と選び方を徹底解説。無料で試せるおすすめのチャットボットも紹介しています。チャットボットを効率的に導入したい方はぜひ最後までご覧ください。

チャットボットとは、ユーザーからの問い合わせに対してリアルタイムで回答できるシステムのことです。サポートスタッフを配置する必要がなく、24時間365日いつでも対応できるメリットがあります。近年、「カスタマーサポート」や「社内問い合わせ対応」の自動化のため、チャットボットの導入を進める企業が増えてきています。アルプス システム インテグレーション株式会社の調査によると、Microsoft 365を活用している企業では、社内向けチャットボットの導入率が26.4%に達しています。

出典:PRTIMES 『ALSI 社内問い合わせ対応とその自動化に関する利用実態調査を発表』
また、問い合わせ対応の際、チャットボットを利用することで、担当者に直接確認する場合と比べて業務負担が低減されることがわかりました。実際、「チャットボットで確認」は業務負荷が38.8%と比較的低く、効率的な情報取得が可能であることが示されています。こうしたデータからも、チャットボットの導入は効率化に有効であるといえるでしょう。

まずここでは、チャットボットの導入方法を解説します。
- チャットボットの導入目的を整理する
- 設置プラットフォームを選定する
- 運用体制を構築する
- チャットボットを比較選定する
- 提供会社に連絡し無料トライアルを試す
- FAQとシナリオ作成する
- 社内にチャットボット導入を周知する
- 本格運用を開始する
まず、チャットボットを導入する目的を明確にしましょう。よくあるチャットボットの導入目的は以下の通りです。
チャットボットのタイプ | よくある導入目的 |
---|
社内向け | ・従業員からの問い合わせ対応を自動化したい・社内ナレッジを共有して、教育コストを削減したい |
顧客向け | ・LINEを使って、新規顧客を獲得したい・商品購入後の質問対応を自動化したい |
まずは、「誰向け」にチャットボットを導入したいのか明確にしてから、チャットボットの候補を絞ります。
次に、チャットボットの設置プラットフォームを選定します。
導入目的 | 設置プラットフォーム例 |
---|
社内向け | ・Slack・Microsoft Teams・LINE WORKS |
顧客向け | ・ホームページ・ECサイト・LINEトーク画面・Facebook Messenger |
社内向けのチャットボットは、従業員が日常的に使用しているSlackやMicrosoft Teamsといったチャットツールへの設置がおすすめです。普段から使い慣れているプラットフォームに設置することで、チャットボットの利便性をさらに高めます。
一方で顧客向けのチャットボットは、多くの企業がホームページやECサイトに設置し、顧客対応の自動化を進めています。また、LINEやFacebook Messengerといったメッセージングアプリに設置することで、顧客とのエンゲージメントを高めることも期待できます。いずれの場合でも、チャットボットの導入目的を明確にしておくことが重要です。なお、設置プラットフォームは各サービスによって異なるため、導入時には注意が必要です。
チャットボットを導入するには、社内で運用体制を構築する必要があります。担当チームを決め、チャットボットの設定や運用メンテナンスを行う体制を整備することで、スムーズな運用が可能になります。また、チャットボットの定期的 な改善も重要なので、提供会社のサポート体制があるかどうかを確認しておきましょう。
市場には多くのチャットボットが存在するため、自社に最適なサービスを見つけるために比較選定が必要です。機能、価格、カスタマイズ性、サポート体制など、複数の観点から検討し、自社のニーズに合ったチャットボットを選びましょう。
比較選定後、提供会社に連絡し、無料トライアルを試すことで実際の使い勝手を確認できます。無料トライアルは、チャットボットが自社の業務フローに適しているかを判断する有効な手段です。期間中にチャットボットの操作性(管理者側・顧客側)やQ&A設定テスト、回答精度の確認を行い、導入後の運用イメージを具体化しましょう。無料トライアル中に検証しておくことで、導入後のミスマッチを軽減できます。
なお、提供会社に連絡せずに無料トライアルで試せるチャットボットもあります。(本記事の「チャットボットレビュー」で解説 しています)気軽に試せるメリットがあるので、ぜひ利用してみてください。
チャットボットの効果を最大化するためには、FAQとシナリオの作成が欠かせません。よくある質問に迅速に対応できるよう、事前にFAQを充実させ、シナリオを準備することで、ユーザーの満足度を向上させられます。AIによる学習機能を活用し、シナリオを最適化していくことも重要です。
チャットボットの本格導入に向けて、運用テストは欠かせません。その際、従業員がチャットボットの目的や機能を理解し適切に活用できるよう、操作説明会を実施しましょう。これにより、社内での円滑な利用が促進され、導入効果を高めることができます。
準備が整ったら、いよいよチャットボットの本格運用を開始します。初期運用時には、定期的なモニタリングやフィードバックの収集を行い、改善点を随時修正していくことが大切です。継続的な改善により、チャットボットのパフォーマンスを向上させ、ユーザーの満足度も高まります。
チャットボット導入までにかかる時間は、1週間~3ヶ月ほどです。
期間 | 社内の状況 | チャットボット作成方法 |
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~1週間ほど | 既にQ&Aや社内ナレッジがまとめられている | ファイルアップロードのみでチャットボットが作れる |
~3ヶ月ほど | Q&Aや社内ナレッジがまとめられていない | AI学習など、提供会社とやり取りをしながら作成する |
チャットボットの導入で最も時間と手間がかかるのは、適切な回答を提供するためのQ&A設定です。もし既に顧客対応用のQ&Aや社内ナレッジが整備されている場合、わずか1週間ほどでチャットボットを稼働させることが可能です。
一方で、Q&Aの作成ゼロから始める場合や、AIの学習プロセスを提供会社とともに進める場合、導入までに3ヶ月ほどかかることもあります。導入するチャットボットの種類によっても、効率化の度合いに差が出るため、ツールの比較選定は最も重要なフェーズになります。
ここでは、チャットボットの選び方を解説します。チャットボット導入時は、以下 の点を確認しましょう。
- シナリオ型かAI型か|生成AI型も要チェック!
- 十分なサポート体制があるか
- 無料トライアルで試せるか
- システム連携できるか
チャットボットの種類は、「シナリオ型」と「AI型」、そして「生成AI型」の3種類に大別されます。「シナリオ型」は、あらかじめ登録されたシナリオに沿って、ユーザーの質問に回答するタイプです。事前に用意した内容を確実に回答させたい場合におすすめです。
一方で、「AI型」は人工知能を搭載しているタイプ。AIが過去の質問を学習することで、表記ゆれや複雑な質問への対応など、回答精度を向上させる特長があります。ユーザーの質問に柔軟に回答できる点がメリットです。
近年では、生成AI機能を搭載した「生成AI型」のチャットボットも登場しています。シナリオやFAQコンテンツを用意 することなくリアルタイムで質問に対する回答を生成できるため、初期設定にかかる工数を大幅に削減できるメリットがあります。現在話題のChatGPTはAPIが公開されているため、自社サイトのチャットボットとして導入することも可能です。ただし導入する際には、ChatGPTをWebサイトに組み込むための技術や、回答を最適化させるためのプロンプトエンジニアリングの知識が必要となります。
チャットボットを選ぶ際に重要なのが、サポート体制の確認です。初期導入やメンテナンスのサポート、トラブル発生時の対応スピード、継続的なサポートがあるかを確認することで、導入後も安心して運用を続けられます。特に、AI学習やシナリオの整備を手厚くサポートしてくれる提供会社を選ぶことで、回答精度の向上もスムーズに進められます。充実したサポート体制を持つチャットボットを選ぶことで、トラブルやメンテナンスに悩まずに長期的な業務効率化を期待できます。
チャットボットを比較する際には、無料で試せるツールを選ぶことが重要です。本格導入前に実際に使ってみて機能や使い勝手を確認することで、自社のニーズに合っているかを判断できます。無料トライアル期間中には、インターフェースの使いやすさ、回答スピードや精度などを確認すると良いでしょう。特に、質問に対して矛盾した回答がないか、有人対応への切り替えをスムーズにできるかもチェックポイントです。無料トライアルを活用することで、顧客対応を効率化できるチャットボットかどうかを見極められます。
チャットボット導入時には、連携できるシステムの確認も重要です。チャットボットと連携できる代表的なシステムは以下の通り。
- LINE
- LINE Works
- Slack
- Microsoft Teams
- WhatsApp など
特にメッセージングアプリとの親和性が高く、多くのチャットボットでシステム連携できる仕様になっています。集客のためにLINEマーケティングを行いたい方や、社内問い合わせの自動化のためにMicrosoft TeamsやSlackと連携させたい方など、さまざまな用途で利用可能です。
一方で、連携できるシステムは各サービスごとに異なります。そのため、チャットボット導入時には、「どのシステムと連携できて、どのプラットフォームにチャットボットを設置できるか」必ず確認しましょう。
ここでは、おすすめのチャットボットを比較します。各サービスの月額料金、無料トライアル・デモの提供状況を比較した以下の表をご覧ください。
サービス名 | 月額料金 | 無料トライアル |
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Zendesk suite | 55ドル~ | あり |
Tebot | 9,800円~ | あり |
PKSHA Chatbot | 要問合せ | デモあり |
sinclo | 要問合せ | 14日間 |
Hubspot | 要問合せ | あり |
hitobo | 要問合せ | あり |
チャネルトーク | 2,700円~ | 14日間 |
Officebot | 要問合せ | デモあり |
GoQSmile | 10,000円~ | 20日間 |
(価格は税抜き)
おすすめのチャットボットには、無料デモか無料トライアルが用意されています。本格導入前に画面の見やすさや質問に対する回答の精度などを事前に確かめることができます。導入後のミスマッチを避けるためにも、ぜひ積極的に試してみてください。
ここでは、2024年最新のチャットボットおすすめ7選を紹介します。各ツールの特徴をまとめていますので、比較選定の参考にしてください。
- Zendesk suite
- Tebot
- PKSHA Chatbot
- sinclo
- Hubspot
- hitobo
- チャネルトーク
Zendesk Suite
株式会社Zendesk
出典:Zendesk Suite https://www.zendesk.co.jp/service/
Zendesk Suite(ゼンデスク スイート)は、株式会社Zendeskが提供するチャットボットです。日本をはじめ160の国と地域の企業で導入されており、世界中で10万社以上の導入実績を誇ります。
Zendeskの「AIエージェント」は、企業のカスタマーサポートを効率化するAI機能です。自然言語処理を活用し、顧客が入力した質問や要求を理解し、最適な回答や対応策を提供します。これにより、サポートチームの負担を大幅に軽減できます。
また、AIエージェントは24時間365日稼働し、休むことなく顧客対応可能。顧客が何を求めているのかをAIが自動的に把握し、おすすめの情報をわかりやすく表示します。顧客が求める解決策を最短時間で提供できる点がおすすめポイントです。
主な機能
- 問い合わせの一元管理機能
- 顧客情報のポップアップ機能
- 顧客情報管理機能
- IVR(自動音声応答)