銀行×AI活用2026年最新事例3選|三菱UFJ・福岡銀行・みんなの銀行
更新日 2026年05月15日
2026年4月から5月にかけて、三菱UFJ銀行・福岡銀行・みんなの銀行がそれぞれ異なる業務領域でのAI活用事例を発表しました。
本記事では、過去にAI最強ナビで取り上げたこれら3行のAI活用事例をまとめて紹介します。
本記事では、過去にAI最強ナビで取り上げたこれら3行のAI活用事例をまとめて紹介します。
三菱UFJ銀行|生成AIロープレで保険販売の提案力を強化
三菱UFJ銀行は、Finatextが提供する生成AIロールプレイングツール「Finatext AI 営業アシスト -AIロールプレイング-」を導入しました。Finatextが5月7日に提供開始を発表しています。

本サービスは生成AIによって構築された「仮想の顧客」を相手に、音声で商談練習ができるロールプレイングツールです。顧客ペルソナ・取扱商品・採点ロジックをカスタマイズできるほか、対話終了後には採点とフィードバックコメントが得られる仕組みになっています。
保険商品を扱う行員の提案力底上げと育成基盤の強化を目的に、まずはトライアル運用からスタートし、将来的には保険販売を担う全行員への展開も視野に入れています。

三菱UFJ銀行が評価したポイントとしては、
- 音声でインタラクティブに商談練習ができる自然な会話機能
- 詳細な顧客ペルソナ設定
- 採点ロジックのカスタマイズ性
- 保険商品に限らず将来的に他の金融商品への展開も視野に入れた拡張性
などが挙げられています。
福岡銀行|契約書管理にAIを導入。年間約7,000時間の削減を見込む
福岡銀行は、LayerXが提供するAIプラットフォーム「Ai Workforce」を導入しました。LayerXが5月7日に発表しており、地方銀行での導入は初となります。

導入対象は、プロジェクトファイナンス・不動産ファイナンス・LBOファイナンスなどを含む「ストラクチャードファイナンス」領域における融資契約書の検索・管理業務です。
案件ごとに契約条件が異なるこの領域では、過去案件の参照に時間がかかることや、ノウハウがベテラン行員に集中して属人化しやすいことなどが課題でした。
そこで、Ai Workforceを活用して、過去の融資契約書の高精度検索や、契約書からモニタリング情報を抽出して管理表に自動 転記する仕組みなどを構築しました。年間約7,000時間の削減効果を見込んでいます。
みんなの銀行|Gemini Enterprise全社導入。AML業務で7時間の作業を5分に短縮
みんなの銀行は4月28日、Google Cloudが提供する「Gemini Enterprise」を全従業員向けに導入したと発表しました。

先行して取り組んだAML(マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策)業務の改革プロジェクトでは、手作業で行っていた「集計表作成」「フォルダ整理」「帳票出力」「報告書作成」の各工程を、RPAとGeminiを組み合わせてワンクリックで完了できるフローに再設計しました。
従来7時間かかっていた作業を5分で完了できるようにな り、業務全体の作業時間を約47%削減する成果を上げました。

特筆すべきは、この改善をプログラミング未経験の現場行員が実現した点です。GeminiのコーディングAI支援を受けながらExcelマクロ(VBA)やPythonプログラムを内製し、外部委託に頼らず短期間で実装しました。
この成果を受け、同社は一部業務の改善にとどまらず全社展開を決定。次のステップとして、独自のAIエージェントを社内で活用する環境の標準化を目指しています。
AI最強ナビ編集部コメント
今回の3事例が示しているのは、銀行のAI活用が営業トレーニング・融資業務・コンプライアンス対応と、幅広い業務領域に及んでいるということです。
注目したいのは、これらの取り組みが現場に近い形で進んでいる点です。みんなの銀行ではプログラミング未経験の行員が業務改善を主導し、三菱UFJ銀行では行員の営業スキル向上という現場課題に直接アプローチしています。
厳格な規制環境に置かれた銀行業界において、こうした多様な業務領域へのAI活用が相次いで報告されていること自体、金融機関のAI導入が新たな段階に入りつつあることを示しているといえそうです。