みんなの銀行、Gemini Enterpriseで事務作業を47%削減 全社AI活用へ本格始動
更新日 2026年04月30日

【この記事はこんな方におすすめです】
- バックオフィス業務の効率化やAI活用を検討している管理部門・DX推進担当者
- 金融犯罪対策(AML)や帳票・集計業務の自動化に課題を抱える情報システム担当者
みんなの銀行は4月28日、Google Cloudが提供するエンタープライズ向け生成AIプラットフォーム「Gemini Enterprise」を全従業員に向けて導入したと発表しました。
先行して実施したAML(マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策)業務改革プロジェクトでは、従来7時間を要していた事務作業をAIとの協業により5分で完了させ、当該業務全体の作業時間を約47%削減する成果を上げています。

Gemini Enterprise導入による主な変化
- 複雑な事務作業を大幅に短縮:AML業務において、複数名が手作業で行っていた「集計表作成」「フォルダ整理」「帳票出力」「報告書作成」の各工程を、RPAツールとGeminiを組み合わせてワンクリックで完了できるフローに再設計。一部工程では7時間の作業を5分に圧縮しました。
- プログラミング未経験の行員が内製開発を実現:Geminiのコーディング支援を受けながら、プログラミング未経験の行員がExcelマクロ(VBA)やPythonのプログラムを内製。外部委託に頼らず短期間で業務改善を進めました。
- ヒューマンエラーの撲滅:手作業による入力ミスや転記ミスが発生しやすい工程を自動化することで、作業時間の削減と品質向上を同時に達成しています。
全社展開した背景
みんなの銀行では、口座数および取引件数の増加に伴い、AML金融犯罪対策に関する事務負担が増大していました。
この課題に対し、現場主導でGeminiを活用した業務改革プロジェクトを立ち上げ、プログラミング未経験の行員がAIの支援を受けながら業務自動化を実現。
特定業務での成果が具体的な数値として示されたことで、この取り組みを一部の業務に留めず、全社のカルチャーとして広げる判断につながりました。
同社は「Gemini Enterprise」の機能を活かして独自のAIエージェントを社内で活用することを次のステップとして位置づけており、AIが人の業務実行を強力にサポートする環境の標準化を目指しています。
AI最強ナビ編集部コメント
今回の事例で注目すべきは、単に「大手クラウドのAIを導入した」というニュースにとどまらず、「プログラミング未経験の現場担当者がAI支援で業務自動化を自ら実装した」という再現性の高いプロセスが公開されている点です。
DX推進において「人材不足」「外部依存」は多くの企業が抱える壁ですが、AIによるコーディング支援はその構造を変えつつあります。専門部門がいなくても現場が動ける、という事実は、金融業界に限らず幅広い業種の管理部門・バックオフィスにとって参考になるでしょう。
AIツールの導入を「どの業務から始めるか」を検討している企業にとって、まず一つの業務で具体的な成果を出してから全社展開するというアプローチは、導入リスクを抑えながらROIを示す有効な方法として参考になりそうです。