電話業務を自動化|おすすめのIVR(音声自動応答システム)比較17選
更新日 2025年12月11日
この記事の概要まとめ
- おすすめのIVR(音声自動応答システム)サービス17選
- 自社に合ったIVRを選ぶための6つの比較ポイント
- IVRとボイスボットの違いと使い分け
- ヤマト運輸や明治安田生命など、大手企業の具体的な活用事例
- 導入にかかる費用相場
「電話対応に追われて、本来の業務が進まない」
「営業時間外の問い合わせを取りこぼしで、機会損失が発生している」 といった悩みはありませんか。顧客対応の品質を維持しながら、業務効率化を図りたい企業の担当者様にとって、IVR(音声自動応答システム)は強力なソリューションです。
しかし、いざ導入しようとすると「クラウド型」や「オンプレミス型」、近年話題の「AIボイスボット」や「ビジュアルIVR」など多くの選択肢があり、どれを選べばいいかわからないという方もいるでしょう。システム選びに失敗すると、導入コストが無駄になるだけでなく、「操作が複雑で顧客満足度が下がってしまった」という本末転倒な結果を招くことも。
そこで本記事では、おすすめのIVR(音声自動応答システム)を厳選してご紹介します。選び方や活用事例、費用相場も解説しているので、ぜひ導入検討の参考にしてください。「自社の課題を解決してくれる最適なIVR」が見つかるでしょう。
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?
ここからは、おすすめのIVR(自動音声応答システム)を厳選してご紹介していきます。「おすすめする導入目的」と「対応する案内方法」でラベリングしました。サービス概要や特徴、主な機能を紹介しているので、ぜひ比較検討の参考にしてください。
おすすめする導入目的 | 取次ぎ削減・一次受付の自動化 呼量削減(電話→Web/自己解決へ) コネクトセンター基盤 |
対応している案内方法 | プッシュ操作 ビジュアルIVR |
IVRy
株式会社IVRy
出典:IVRy https://ivry.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ)
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
IVRyは、月額3,000円から利用できる電話自動応答サービスです。最短5分でアカウント作成から稼働まで完了する手軽さが支持され、飲食店から中小企業の代表電話まで幅広い業種で導入されています。
特徴は、管理画面上でテキストを入力するだけで音声を合成でき、直感的に分岐フローを作成できる点です。また、電話での応答だけでなく、SMS送信によるWeb誘導(ビジュアルIVR機能)も標準搭載しており、電話対応の負担を大幅に軽減します。
着信フローの自由なカスタマイズ、営業電話の自動ブロック、SMS送信による予約ページやQ&Aへ の誘導などが可能です。低コストで電話業務の自動化と効率化を実現するIVRサービスです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- 導入支援・運用支援あり
- 自動応答機能
- ISMS
コールコール
ルーシッド株式会社
出典:コールコール https://callcall.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ)
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
コールコールは、Web上で電話の自動応答フローを作成・運用できるクラウドIVRサービスです。必要な時に必要な分だけ利用できる柔軟な料金体系があり、短期のキャンペーンダイヤルから常設の自動受付まで幅広く対応します。
特徴は、視覚的な操作で複雑なコールフローも簡単に構築できるUI(ユーザーインターフェース)です。テキスト読み上げ機能や録音音声のアップロードに対応してお り、急なアナウンス変更にも即座に対応可能です。
自動受付による24時間対応、電話予約の自動化、SMS送信、通話録音データの確認などの機能が備わっています。API連携にも対応しており、外部システムと連動した高度な自動応答も実現できます。
DXでんわ
メディアリンク株式会社
出典:DXでんわ https://mediaseries.medialink-ml.co.jp/mediavoice/dx-tel/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
DXでんわは、メディアリンクが提供する低価格な電話自動応答サービスです。「電話番」の完全自動化をコンセプトにしており、オフィスの代表電話や店舗の予約電話などの一次対応をシステムが代行します。
特徴は、シンプルで分かりやすい管理画面と、圧倒的なコストパフォーマンスです。難しい設定なしに、あらかじめ用意されたテンプレートなどを活用してすぐに自動応答を開始できるため、ITに詳しくない担当者でも安心して導入できます。
営業時間外のアナウンス対応、担当者への取次ぎ転送、SMSによるWeb誘導、音声メッセージのテキスト化・通知などの機能があります。人手不足解消と業務集中を支援する、手軽な自動受付システムです。
主な機能
- 自動応答機能
- 自動振り分け機能
- 音声録音機能
- 営業時間外応答機能
モバイルウェブ ビジュアルIVR
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
出典:モバイルウェブ ビジュアルIVR https://www.nttcoms.com/service/mobileweb/usage/visual-ivr/
【導入目的】呼量削減(電話→Web/自己解決へ)
【案内方法】ビジュアルIVR
モバイルウェブ ビジュアルIVRは、NTTコム オンラインが提供する、スマートフォン活用に特化したIVRソリューションです。音声ガイダンスの途中でもSMSを送信し、Webサイト上のメニュー画面(ビジュアルIVR)へ誘導することができます。
特徴は、電話をかけてきた顧客をスムーズにデジタルチャネル(WebのFAQやチャットボット)へ移行させ、自己解決を促す点です。アプリのインストールが不要で、ブラウザ上ですぐにメニューを表示できるため、顧客の利用ハードルが低いのも強みです。
入電時のSMS送信によるWeb誘導、コールセンターの混雑状況表示、Web手続きページへの案内などが可能です。呼量削減(Call Deflection)と顧客の待ち時間解消を強力に推進します。
VoiceMall
NTTテクノクロス株式会社
出典:VoiceMall https://www.ntt-tx.co.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / コネクトセンター基盤
【案内方法】プッシュ操作
VoiceMallは、NTTコミュニケーションズが提供するクラウド型の自動音声応答サービスです。通信キャリアならではの堅牢な基盤を持ち、大規模な回線数や突発的なアクセス集中にも耐えうる高い信頼性を誇ります。
特徴は、高度な音声認識技術や外部システムとの連携機能を有している点です。単純なプッシュ操作だけでなく、AIによる音声対話や、データベースと連携した照会業務など、複雑なフロー構築に対応します。
24時間365日の自動受付、キャンペーンなどの大量アクセス対応、音声認識による住所・名前の自動聞き取り、クレジットカード決済の自動化などが可能です。セキュリティと安定性を重視する企業に適しています。
主な機能
- 自動応答機能
- 自動振り分け機能
- 折り返し電話予約機能
- 音声録音機能
TeleForce
株式会社メディア4u
出典:TeleForce https://teleforce.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ) 【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
TeleForceは、CRM(顧客管理)機能と連動したクラウド型電話システムです。IVRによる振り分け機能が充実しており、着信と同時に顧客情報を表示させるなど、電話対応の質を高める設計がなされています。
特徴は、ドラッグ&ドロップで直感的にIVRフローを作成できる操作性の良さと、ビジュアルIVR機能も統合されている点です。電話とWebの両面から顧客のアプローチを管理し、機会損失を防ぎます。
自動音声応答による着信振り分け、SMS送信によるWeb誘導、着信ポップアップ(顧客情報表示)、通話録音などの機能が利用できます。受付業務の無人化だけでなく、有人対応の効率化も同時に図れるサービスです。
主な機能
- 自動応答機能
- 自動振り分け機能
- 音声録音機能
- 営業時間外応答機能
MiiTel Phone
株式会社RevComm
出典:MiiTel Phone https://miitel.com/jp/phone/lp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / コネクトセンター基盤
【案内方法】プッシュ操作
MiiTel Phoneは、AIによる音声解析機能を搭載したクラウドIP電話です。IVR機能で着信を適切な担当者へ振り分けるだけでなく、通話内容をAIが可視化・分析することで、営業やサポート品質の向上を実現します。
特徴は、単なる自動応答にとどまらず、インサイドセールスやカスタマーサポートの「成果」にフォーカスしている点です。IVRで取り次いだ後の会話内容を文字起こしし、スコアリングする機能が強みです。
着信時の自動ガイダンスと振り分け、営業時間外の自動応答、通話内容の自動録音・文字起こし、SMS送信などが可能です。電話業務の効率化と、売上・品質向上を同時に目指す企業に選ばれています。
Smart desk W
株式会社Wiz
出典:Smart desk W https://012cloud.jp/service/smartdesk_n
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化
【案内方法】プッシュ操作
Smart desk Wは、オフィスの代表電話対応を自動化・効率化するクラウド受付システムです。「0円から始められる」プランなど、コストを抑えて電話DX(デジタルトランスフォーメーション)をスタートできる点が魅力です。
特徴は、会社宛ての電話を自動音声で一次受けし、要件に応じて担当者のスマホやPCへ直接転送する仕組みです。これにより、総務などが代表電話を取り次ぐ手間(取次ぎコスト)を削減します。
プッシュ番号による担当部署への自動転送、自動音声アナウンス、受電通知などが可能です。テレワーク環境下でもオフィスの電話をスムーズに運用できる、取次ぎ削減に特化したサービスです。
MediaVoice
メディアリンク株式会社
出典:MediaVoice https://mediavoice-autocall.studio.site/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ) 【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
MediaVoice(メディアボイス)は、メディアリンクが提供するクラウド型IVRサービスです。100万コール以上の処理実績を持ち、通販の注文受付やキャンペーン応募など、大量の呼量が発生するシーンで強みを発揮します。
特徴は、回線数の増減が柔軟に行えるクラウド基盤と、多彩な機能パッケージです。クレジットカード決済や抽選受付など、特定の業務フローに合わせたテンプレートやカスタマイズが可能です。
24時間自動受付、あふれ呼(放棄呼)対策としてのコールバック受付、SMS送信、アウトバウンド(自動発信)によるアンケート調査などが可能です。高負荷に強く、大規模な自動化ニーズに対応します。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- 自動応答機能
- 自動振り分け機能
- 折り返し電話予約機能
コールナビゲーター
コスモバリュー株式会社
出典:コールナビゲーター https://callnavigator.net/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化
【案内方法】プッシュ操作
コールナビゲーターは、KDDIがネットワーク側で提供するIVRサービスです。PBX(構内交換機)に着信する「前」の段階でKDDIの設備が応答するため、社内に専用機器を設置することなく高機能な振り分けを利用できます。
特徴は、通信キャリアのネットワーク上で動作するため、災 害時やアクセス集中時にも安定したルーティングが可能である点です。着信地域や時間帯に基づいた振り分け設定が容易に行えます。
発信地域や時間帯に応じた着信先振り分け、音声ガイダンスによる自動案内、あふれ呼時のガイダンス再生などが可能です。BCP(事業継続計画)対策や、複数拠点の電話番号を一元管理したい場合に適しています。
CallConnect
株式会社fonfun
出典:CallConnect https://www.callconnect.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / コネクトセンター基盤
【案内方法】プッシュ操作
CallConnectは、ブラウザだけで電話の発着信や管理ができるクラウド電話システムです。IVR機能を標準搭載しており、アカウント作成から最短5分で電話窓口を開設できるスピード感が特徴です。
特徴は、PC画面上で視覚的にIVRのフローを設定でき、SalesforceやSlackなどの外部ツールと強力に連携できる点です。電話の内容を自動で記録・共有し、チームでの対応効率を高めます。
自動音声による着信フロー設定、通話の自動録音、CRM(顧客管理システム)連携、営業時間外のアナウンス設定などが可能です。サポート業務やインサイドセールスの立ち上げに最適なIVR機能を提供します。
主な機能
- ISMS
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
Amazon Connect
Amazon Web Services, Inc.
出典:Amazon Connect https://aws.amazon.com/jp/connect/
【導入目的】コネクトセンター基盤 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ)
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
Amazon Connectは、AWS(Amazon Web Services)が提供するクラウド型コンタクトセンターサービスです。従量課金制で初期費用が不要なうえ、非常に高度なIVR(自動音声応答)を自由に構築できる拡張性の高さが特徴です。
特徴は、AWSの他サービス(AIやデータベース)とシームレスに連携できる点です。GUIツール「コンタクトフローエディタ」を使い、顧客の電話番号に応じた動的なメニュー変更や、AI音声による自動対応などを作成できます。
自由度の高いIVRフロー構築、AIチャットボット(Amazon Lex)との連携による音声対話、テキスト読み上げ、通話録音などの機能が備わっています。小規模から大規模まで、あらゆるニーズに合わせたIVRを構築できます。
主な機能
- チャットサポートあり
- 二要素認証・二段階認証
- シングルサインオン
- クラウド(SaaS)
Genesys Cloud CX
ジェネシスクラウドサービス株式会社
出典:Genesys Cloud CX https://www.genesys.com/ja-jp/genesys-cloud
【導入目的】コネクトセンター基盤 / 呼量削減(電話→Web/自己解決へ)
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
Genesys Cloud CXは、世界的なシェアを持つオールインワン型のクラウド・コンタクトセンターソリューションです。IVR機能は非常に高機能で、電話だけでなくメールやチャットを含むオムニチャネルな顧客対応を統合管理します。
特徴は、AIを活用した予測的ルー ティングや、直感的なビジュアルエディタによるフロー作成機能です。顧客の属性や過去の履歴に基づいて、最適なオペレーターやメニューへ自動的に誘導することができます。
高度な条件分岐によるIVRルーティング、ボイスボット連携、コールバック予約、ビジュアルIVRへの誘導などが可能です。大規模センターや、複雑な顧客対応フローを持つ企業向けのハイエンドなシステムです。
Dialpad
Dialpad Japan株式会社
出典:Dialpad https://www.dialpad.co.jp/
【導入目的】取次ぎ削減・一次受付の自動化 / コネクトセンター基盤
【案内方法】プッシュ操作
Dialpad(ダイアルパッド)は、あらゆるデバイスで利用可能なクラウドPBX(ビジネス電話)システムです。IVR機能が組み込まれており、管理画面から部署ごとの代表電話や問い合わせ窓口のフローを簡単に設定できます。
特徴は、AIによるリアルタイム音声認識(文字起こし)機能と、モダンで使いやすいUIです。リモートワーク環境でも、オフィスの電話と同じようにIVR経由の着信をスマホやPCで受けることができます。
部署・グループへの自動転送設定、営業時間外の留守番電話・アナウンス、通話内容のテキスト化、CRM連携などが可能です。場所を選ばない柔軟な働き方を支えるIVR機能を提供します。
主な機能
- 通信の暗号化
- シングルサインオン
- アカウント権限
- 外線接続機能
InfiniTalk
ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社
出典:InfiniTalk http://www.infinitalk.co.jp/
【導入目的】コネクトセンター基盤 / 取次ぎ削減・一次受付の自動化
【案内方法】プッシュ操作
InfiniTalk(インフィニトーク)は、コールセンターに必要な機能を網羅したクラウドPBX/CTIシステムです。IVR機能(ACD:着信自動分配)を標準搭載しており、48業種以上での豊富な導入実績を持ちます。
特徴は、低コストかつ短期間で本格的なコールセンター環境を構築できる点です。IVRの設定変更も管理画面から柔軟に行えるため、キャンペーンや繁閑に合わせたフロー修正が自社で完結します。
着信振り分け(ACD)、IVRによる音声ガイダンス、待ち呼(キューイング)アナウンス、通話録音、テキスト読み上げなどの機能があります。中小規模のコールセンターやヘルプデスク運用にぴったりです。
主な機能
- ISMS
- 導入支援・運用支援あり
- 顧客情報のポップアップ機能
- Pマーク
BIZTEL コールセンター
株式会社リンク
出典:BIZTEL コールセンター https://biztel.jp/cs/
【導入目的】コネクトセンター基盤 / 取次ぎ削減・一次受付の自動化
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
BIZTELコールセンターは、7年連続シェアNo.1を誇るクラウド型コールセンターシステムです。日本企業の業務に即したきめ細かいIVR設定が可能で、安定性と多機能さで業界標準としての地位を確立しています。
特徴は、IVRの階層や分岐を無制限に設定できる柔軟さと、API連携による拡張性です。外部のCRMや予約システムと連携し、電話番号から顧客を特定して優先ルーティングを行うなど、高度な運用が可能です。
多階層のIVR設定、待ち呼・あふれ呼時の自動音声案内、コールバック予約、SMS送信連携などの機能が備わっています。本格的なカスタマーサポート構築において、信頼できるIVR基盤を提供します。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- ISMS
- 顧客情報のポップアップ機能
- IVR(自動音声応答)
CT-e1/SaaS
株式会社コムデザイン
出典:CT-e1/SaaS https://comdesign.co.jp/
【導入目的】コネクトセンター基盤
【案内方法】プッシュ操作 / ビジュアルIVR
CT-e1/SaaSは、コムデザインが提供するオーダーメイド型のクラウドCTIサービスです。IVRを含むすべての機能を、専任エンジニアが企業の要望に合わせてカスタマイズ設定(開発不要)して提供するのが特徴です。
特徴は、ユーザー自身が複雑な設定を行う必要がなく、「やりたい運用」を伝えるだけで最適なIVRフローが実装される点です。独自性の高い業務フローや、既存システムとの特殊な連携が必要な場合でも柔軟に対応します。
要件に合わせた自由自在なIVR構築、CRM連携、SMS送信、通話録音、全通話テキスト化などの機能が利用できます。システムに運用を合わせるのではなく、運用にシステムを合わせたい企業に最適なIVRです。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- 顧客情報のポップアップ機能
- IVR(自動音声応答)
- ACD(振り分け)
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?
IVRは、電話の着信時に自動音声で案内し、プッシュ操作(例:「1を押してください」)などで用件を振り分けるシステムです。人が電話を取る前に要件を整理できるため、一次受付を自動化してコールセンターや代表電話の負荷を下げやすくなります。複雑な会話を行うというより、「正しい窓口へつなぐ」「受付を止めない」ことが主目的です。
ここからは、以下の3点に着目してより詳しく確認していきましょう。
- IVR(自動音声応答システム)でできること
- IVRを導入するメリット
- IVRとボイスボットとの違いは?

IVRが得意なのは、電話対応を整理して流すことです。有人対応が必要な電話でも、入口で用件を切り分けられるため、待ち時間の短縮や取り次ぎ工数の削減につながります。電話の入口で迷子を減らし、対応の流れを整える仕組みだと捉えると分かりやすいです。IVRを導入することで、主に以下のようなことが実現できます。
IVR(自動音声応答システム)で実現できる主なこと
- 用件の振り分け:部署・担当・拠点へ転送(営業時間内外で分岐も可能)
- 受付の自動化:営業時間案内、休業案内、混雑案内
- 情報提供:よくある質問の案内(料金、アクセス、配送状況など)
- 入力の収集:会員番号・注文番号などをプッシュ操作で取得
- 折り返し導線:混雑時に「折り返し受付」へ誘導
例えば、代 表電話で「採用」「請求」「サポート」が混在していると、受付が聞き返す時間や転送ミスが積み重なります。IVRを入れると、よくある用件は自動で分岐でき、緊急窓口だけは優先接続するといった設計も可能です。特に、問い合わせが多い企業ほど「誰が取るか」より先に「どこへ回すか」を決めるだけで運用が安定しやすいでしょう。

IVRの導入メリットは、電話対応のボトルネックを「人手」ではなく「導線設計」で緩和できる点にあります。電話は同時処理が難しく、ピーク時は取りこぼしや折り返し対応が増えがちです。IVRで入口を整えると、一次対応の工数を減らし、必要な問い合わせに人が集中できる状態を作れます。導入によって期待できる主なメリットは以下のとおりです。
IVR導入で得られる主なメリット
- 一次受付の省力化:聞き返し・取り次ぎが減り、対応のムダが小さくなります
- 機会損失の低減:営業時間外でも最低限の案内ができ、取りこぼしを抑えられます
- 待ち時間の短縮:用件別の窓口に直結し、転送の往復が減ります
- 応対品質の平準化:案内内容が統一され、担当者によるブレが出にくいです
- 運用改善の材料:問い合わせ傾向を把握し、導線や体制を改善しやすくなります
例えば、代表電話にかかってくる内容のうち、案内だけで済む問い合わせが一定割合あるなら、IVRで自動応答に寄せるだけでも効果が出やすいでしょう。さらに、部門ごとの受電数が見える化されると、繁忙の偏りに気づけるため、体制やFAQ整備にもつながります。このように、「電話が鳴り続ける状態」から「電話をさばける状態」へ変えるための土台作りになるのも魅力です。

IVRは「番号選択で振り分ける仕組み」、ボイスボットは「会話で用件を理解して対応する仕組み」です。IVRは構造がシンプルで安定運用しやすい一方、柔軟な対話は得意ではありません。ボイスボットは自然な会話で受付や回答ができますが、認識精度やシナリオ設計、ナレッジ更新など運用設計の難易度が上がりやすい傾向があります。
例えば「部署を選んで担当へつなげば解決する」ならIVRで十分なことが多いです。一方、「症状を聞いて手順を案内する」「本人確認をしながら受付する」など、対話が必要ならボイスボットの検討価値が高まります。目的が「転送の最適化」なのか、「会話で解決」なのかを先に切り分けると、選定で迷いにくくなるでしょう。
最終的には、まずIVRで入口を整え、効果が見えた領域からボイスボットに拡張する、という段階導入も取り入れやすい進め方です。
IVRの特徴と強み
IVRの強みは、設計の意図がブレにくく、安定して運用しやすい点です。プッシュ操作による分岐は動作が明確で、聞き間違いが起きにくいため、問い合わせの入口を整える用途に向きます。とくに代表電話やコールセンターの混雑対策では、複雑なことをさせないほうが、結果として離脱を減らしやすいケースも多いです。
例えば「1:予約変更」「2:請求」「3:その他」のように、選択肢を絞れば、ユーザーの負担を増やさずに振り分けられます。まずは3〜5項目程度で開始し、問い合わせの偏りを見ながら枝を増やすのが現実的です。IVRは、入口設計の基本として導入しやすい選択肢だと言えます。
ボイスボットの特徴と強み
ボイスボットの強みは、音声対話で用件を把握し、回答や受付まで進められる点です。番号選択に比べて自然な導線を作りやすく、「言葉で説明したい」問い合わせにも対応しやすくなります。さらに、本人確認や予約受付、FAQ回答などを会話で完結できれば、有人対応の割合を下げやすいでしょう。
例えば「配送状況を知りたい」という要望に対して、注文番号を聞き取り、ステータスを案内するような運用は、IVRよりボイスボットのほうが体験が良くなる可能性があります。ただし、誤認識への備え(言い直し、選択肢提示、有人切り替え)を最初から設計しておくことが重要です。ボイスボットは、会話で解決を狙う施策として強みを発揮します。
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IVRとボイスボットの比較表
比較項目 | IVR(自動音声応答) | ボイスボット |
|---|
基本動作 | 音声案内+番号選択で分岐 | 音声対話で意図を理解し対応 |
得意領域 | 用件振り分け、転送、営業時間案内 | 受付、質問回答、手順案内、会話での完結 |
導入・運用の難易度 | 比較的低め(設計がシンプル) | 高め(対話設計・精度・改善が重要) |
ユーザー体験 | 選択肢が分かりやすいほど良い | 自然な会話で進むと満足度が上がりやすい |
失敗しやすいポイント | 選択肢が多すぎて迷う、階層が深い | 誤認識、例外対応不足、有人切り替え不備 |
向いているケース | 代表電話の整理、窓口の最適化 | 会話で解決を増やしたい、受付まで自動化した |
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?
IVR(自動音声応答システム)の選び方と比較ポイント
IVRは、導入形態や連携、運用のしやすさまで押さえると、一次対応の省力化だけでなく、応対品質の平準化や改善サイクルの加速まで狙えます。一方で、自社の顧客層や問い合わせ内容に合わないものを選ぶと、案内が分かりづらくなり離脱や取りこぼしが増えかねません。
自社の問い合わせ特性を前提に、機能・運用・費用・体制を中心に比較していきましょう。ここからは、IVR選びの判断基準となる比較ポイントを具体的に紹介します。
導入形態は「クラウド型」が主流!状況に応じてオンプレミス型も検討

IVRの導入形態で迷ったら、まずはクラウド型を軸に検討するのが現実的です。短期間で立ち上げやすく、運用しながら改善もしやすいため、現在はクラウド型が主流となってきています。一方で、社内規定や既存設備の事情によってはオンプレミス型が適するケースもあるため、「自社はどちらの前提に近いか」を押さえて判断しましょう。
クラウド型が主流になっている理由
- 立ち上げが早い:回線・機能を揃えて短期間で運用開始しやすい
- 変更に強い:営業時間や分岐、転送先の変更などを運用で回しやすい
- 拡張しやすい:繁忙期だけ同時着信数(回線数)を増やすなどが比較的スムーズ
例えば「代表電話が混雑してつながりにくい」「部署改編で窓口が頻繁に変わる」「まずは一部の問い合わせだけ自動化して様子を見たい」といった状況なら、クラウド型のほうが小さく始めて改善しやすく、結果的に失敗しにくいでしょう。外部ツール(CRMやヘルプデスク、チャットなど)と連携して業務を効率化したい場合も、クラウド型のほうが選択肢が広がる傾向があります。
そもそもクラウド型とオンプレミス型の違いは?
クラウド型は、IVRの仕組みをベンダー側のクラウド環境で提供し、企業はインターネット経由で管理画面にログインして設定・運用する方式です。自社にサーバーを置かずに使えるのが特徴で、機能追加やアップデートもベンダー側で進むことが多いです。
対してオンプレミス型は、IVRのシステムを自社のサーバーや社内ネットワーク上に構築し、自社環境で運用する方式を指します。既存のPBX(電話交換機)や社内システムと密に連携したい場合に選ばれることがあります。
オンプレミス型を検討したほうがよいケースは?
クラウド型を選びづらい前提がある場合は、オンプレミス型を検討しましょう。ただし、オンプレミス型は、初期構築や保守運用(アップデート、障害対応、冗長化など)の負担が増えやすく、導入までの期間も長くなりがちな点に注意です。運用を内製できる体制がない場合は、保守を含めたコストが膨らむことも珍しくありません。
オンプレミス型を検討すべきケース
- セキュリティや規制要件でクラウド利用が制限される(社内規定、監査要件など)
- 既存の電話設備(PBXなど)を中心に構成が固まっていて、変更が難しい
- 閉域網(社内ネットワーク)内での運用が必須で、外部接続ができない/したくない
クラウド型とオンプレミス型の選定をスムーズにするコツ
スムーズに選定するポイントは、自社が大事にしたい軸を先に決めることです。次のように整理すると判断しやすくなります。
重視すること | 考えられる選択肢 |
|---|
スピードと柔軟性が優先 | クラウド型が有力 |
社内規定や設備事情が優先 | オンプレミス型も視野 |
どちらにするか迷っている | クラウド型で小さく始め、運用要件が固まってから構成を再検討 |
クラウド型が主流という前提で比較を始めつつ、社内の制約(クラウド可否、既存PBX、情報管理要件)に引っかかる場合だけオンプレミス型も候補に入れる、という順番にすると、過不足なく検討できます。どちらか迷った場合は、ミニマムでスタートできるクラウド型を選択するのがおすすめです。
顧客層に合わせて「プッシュ操作」か「SMS送信」で機能を選ぶ

IVRでの案内方法は、「プッシュ操作(番号選択)」中心にするか、SMS送信(URL送付)を組み合わせ るかでユーザー体験が大きく変わります。電話をかけてくる人の状況によって最適な案内が分かれるため、顧客層に合わせて機能を選ぶことが重要です。
例えば、BtoBの代表電話や取引先からの入電が多い場合は、プッシュ操作で「1:営業、2:サポート…」と分岐させるだけでも十分に効果が出やすいでしょう。押し間違いは起こり得ますが、分岐が明確で設計がシンプルなため、導入・運用ともに迷いが少ない点が強みです。用件がある程度整理されている窓口ほど、プッシュ型の良さが出ます。
一方で、一般消費者からの入電が多い窓口では、用件が幅広く「電話口で長く説明しないといけない」状況になりがちなので、SMS送信が有効です。電話で全部説明する代わりに、手続きページやFAQなど「やるべきことが載っているURL」を送ることで、顧客はあとから落ち着いて確認できます。案内が手元に残るため聞き間違いも減り、オペレーターは説明時間を短縮できるので、混雑時の待ち呼対策にもつながります。
案内方法ごとの選び分け
案 内方法 | 判断基準 |
|---|
プッシュ操作での案内 | ・用件が3〜6種類程度に整理できる ・BtoB電話など、目的が明確な入電が多い ・確実な分岐を優先したい ・導入を急ぎたい |
SMS送信での案内 | ・Webの方が早い手続き ・URL/書類/手順など長くなりやすい案内 ・自己解決に誘導 ・混雑時の代替導線 |
プッシュ操作とSMS送信は二者択一ではなく、顧客層と問い合わせ内容に合わせて、「プッシュ操作+必要ならSMS」と組み合わせることも可能です。無理なく改善しやすい方法を選びましょう。
CRMやチャットなど「外部ツール連携」ができると業務効率が劇的に上がる

IVRは単体でも役立ちますが、CRMやチャット、ヘルプデスクなど外部ツールと連携したときに本領を発揮します。電話の内容が記録されずに消える状態を減らし、後工程(折り返し・対応履歴・引き継ぎ)を自動化できるためです。
例えば、顧客データベース(CRM)に紐づけられれば、「誰からの電話か」「過去のやり取りは何か」を見たうえで対応できるので、電話対応の質も上がります。タスク管理ツールと連携し、IVRで用件を選んだ時点で、対応依頼のタスク作成・担当部署に通知が自動でできると、折り返し漏れが起こりにくくなるでしょう。さらに、チャット連携ができると、「手続きはチャットでも可能です」と誘導して電話の総量を減らす運用も組めます。
外部ツールとの連携について確認する際は、単に「連携できるかどうか」ではなく、現場の業務フローにどう刺さるかまで落とし込むと、導入効果がはっきりします。
外部ツール連携で確認するべきポイント
- 連携方法:標準連携(コネクタ)か、API連携(開発が必要)か
- 連携できる粒度:用件選択、発信者番号、録音URL、対応メモなど何が渡せるか
- 運用の現実性:設定変更を誰が担当するか、保守を内製できるか
「応答フローを自社で修正できる」システムなら外注コストと機会損失を防げる

IVRを選ぶ際は、自社で応答フローをすぐ直せるかどうかを確認しましょう。電話窓口は想像以上に変化が多く、「文言・分岐・転送先」を小さく改善し続けるほど成果が出ます。外注前提だと改修に時間がかかり、その間の取りこぼしが発生しやすいです。
例えば、キャンペーン期間中だけ問い合わせが増える、担当部署が一時的に変わる、フォームのURLが更新された、こうした変更は日常的に起こり得ます。もし修正が「依頼→見積もり→反映待ち」だと、変更が間に合わず、誤案内や離脱につながる可能性があります。
反対に管理画面で分岐を編集できれば、「今週だけ案内を差し替える」といった細かい対応が現場で可能になります。運用改善に強いIVRを選ぶほど、外注コストを抑えつつ、機会損失も減らしやすくなるでしょう。
比較時に確認しておくポイント
- 分岐の編集がノーコードでできるか(専門知識なしで扱えるか)
- 変更反映までの時間(即時反映か、申請が必要か)
- 権限管理機能があるか(誰がどこまで変更できるか)
- テスト環境があるか(本番前に試せるか)
必要な「電話種別」に対応し、繁忙期に「回線数」を増減できるか

IVR選 定では、「使いたい電話番号を使えるか」「回線数を増減できるか」を必ず確認してください。必要なものが揃っていないと運用が成立しないうえ、後から変更すると周知コスト(名刺・Web・広告への記載変更、取引先への連絡)が大きくなります。
既に0120(フリーダイヤル)を使っている企業は、番号の維持や移行可否が重要です。新規の導入する企業では、050番号でスモールスタートしたい場合もあれば、03など市外局番を継続したいケースもあるでしょう。
また繁忙期に同時着信が増える業種では、回線数を固定にしてしまうと「話し中」が増え、せっかくのIVRが機会損失の原因になりかねません。
電話番号や回線数で確認するべきポイント
- 使いたい番号種別に対応しているか(0120/050/市外局番など)
- 番号の新規取得だけでなく、既存番号の移行ができるか
- 回線数(同時着信数)の増減が柔軟か、増やすときの単価が明確か
- 混雑時の代替策(コールバック受付、SMS誘導)が用意できる
月額の安さだけで選ばない!従量課金を含めた「トータルコスト」で試算する

IVRは、月額料金が安く見えても、従量課金(通話料・着信料・録音保存・音声認識など)で支払い総額が上がることがあります。変動費でコストが大きく変わるので、固定費だけで選ばずに、必ずトータルコストで比較しましょう。
例えば、月額固定費は低くても、「着信ごとに課金」「録音の保存容量で課金」「SMS送信の従量課金」などが重なると、問い合わせが増えるほど費用が膨らみます。反対に、一定量までは定額内に収まるプランなら予算管理がしやすく、稟議も通しやすいでしょう。
見積もり段階で、月間の着信件数と平均通話時間をざっくり置くだけでも、比較の精度が上がります。固定費の数字だけで決めず、「自社の着信量なら月いくらになりそうか」まで含めて比較すると、導入後のズレが減ります。
トータルコストの内訳
費用の種類 | 内容 |
|---|
固定費 | 初期費用、月額基本料、アカウント費、回線(同時呼数)費 |
変動費 | 通話/着信料、録音保存、SMS送信、音声認識、外部連携オプション |
運用費 | 設定変更の工数、外注費、改善の伴走費(必要な場合) |
24時間365日の「サポート体制」と、個人情報を守る「セキュリティ認証」 の有無をチェック

IVRは企業への問い合わせ口なので、サポート体制とセキュリティを軽視しないことが大切です。電話が止まると売上機会や顧客満足に直結し、録音や顧客情報を扱う場合は情報管理が企業リスクになります。
例えば、障害や設定ミスで案内が誤っていた場合、復旧までの時間が長いと「つながらない」「たらい回し」という不満が一気に増えます。夜間・休日の入電が多い業種なら、24時間365日でのサポート有無は現実的な判断材料になるでしょう。
セキュリティ面では、録音データや発信者番号などが扱われることが多いため、第三者認証(例:情報セキュリティに関する認証)や、データの保管・アクセス制御の考え方を確認しておくと安心です。
サポート体制とセキュリティで確認したいポイント
- サポートの対応 時間(平日のみ/24時間365日)
- サポートへの連絡手段(電話・メール・チャット)
- 障害時の復旧方針、情報開示の姿勢(ステータスページなどの有無)
- 権限管理、ログ(操作履歴)の取得可否
- データ保管(録音の保存期間、暗号化、アクセス制御)
- セキュリティ認証・監査の有無(社内稟議で求められがちです)
機能が同程度で迷ったら、「困ったときに誰が助けてくれるか」と「守るべき情報を守れるか」で差が出ます。導入前にチェックリスト化して、ベンダー比較に落とし込んでみてください。
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?

IVRは万能ではありませんが、ハマる条件がそろうと電話対応のムダが目に見えて減り、現場のストレスも軽くなります。IVRがおすすめなのは、ひと言でいえば「電話の一次対応がボトルネックになっている」組織です。
電話はメールやチャットと違い、同時に処理できる量が限られるため、用件の振り分けや簡単な案内が人手依存のままだと、取りこぼしや待ち時間が発生します。
IVRはこのような課題を感じている方におすすめ
- 代表電話がつながりにくい:繁忙期や昼休みに着信が集中し、機会損失が起きている
- 取次ぎで業務が止まる:「誰宛てかわからない電話」が多く、総務や受付が疲弊している
- 同じ質問が何度も来る:営業時間、場所、手続きなど定型案内が多い
- 営業時間外の入電が多い:留守電だけでは不安で、折り返し漏れが起きがち
- 折り返し対応が属人化している:メモ運用で対応漏れ・二重対応が発生している
IVRの導入は「人を減らす施策」というよりも、電話が原因で発生しているムダ(取次ぎ、聞き返し、待ち呼、折り返し漏れ)を減らし、対応品質を整える取り組みとして捉えると現場の合意も取りやすくなります。まずは直近1〜2か月の着信内容を振り返り、「用件が偏っている」「時間帯に波がある」「案内だけで終わる電話が多い」と感じたら、IVRで改善できる余地が大きいはずです。

IVR(自動音声応答システム)は、単なる「電話の振り分け機能」にとどまらず、企業の人手不足解消や顧客満足度向上を実現する重要なツールとして導入が進んでいます。
ここでは、3つの導入シーンをあげ、実際に成果を上げている企業の活用事例をご紹介します。実践的な成功例を通じて、導入検討のイメージを深めてみましょう。
定型的な「予約・受付業務」を無人化し、24時間365日対応を実現するために導入
「電話対応で、本来の業務に集中できない」「夜間や早朝の問い合わせを取りこぼしている」といった課題があり、定型業務を自動化する導入シーンです。営業時間外でも受け付けられるようになり、取りこぼしを減らせます。
予約・受付のような定型業務は、ヒアリング項目が決まっているため、電話の一次受付を自動化しても品質がブレにくく相性がいい領域です。
実際の活用事例
ヤマト運輸は、集荷依頼の 電話に対して「AIオペレータ」が自動音声で応対し、受付を進める仕組みを案内しています。音声ガイダンスで集荷依頼を選ぶとAI受付が開始し、集荷先住所や希望時間帯、送り状の要否などを発話で確認する流れです。
周囲の雑音などで音声認識が難しい場合や特別な要望がある場合は、有人オペレーターに切り替わる設計になっており、無人化と安全運用のバランスが取られています。加えて、情報を登録すれば次回以降は発信番号をもとに、住所などを繰り返し話さずに依頼できる旨も示されています。
出典:クロネコヤマト「AIオペレータ」による自動受付で集荷依頼
電話対応を「Webページ(FAQ)」へ誘導し、オペレーターの負担を減らすために導入
「電話で説明するより、画面で案内したほうが早い」というケースが多く、IVRからWeb(FAQや手続きページ)へ誘導する導線設計にする導入シーンです。スマホからの入電に対し、SMSでURLを送って画面操作に切り替えることができます。
電話をつなぎ続ける時間が短くなり、電話の総量や応対時間の削減につながります。電話がつながらないことによるクレームを減らし、自己解決率を高めることが可能です。
実際の活用事例
明治安田生命は、Webサイト上に「Visual IVR(ビジュアルIVR)」を設置し、利用者が「やりたいこと・困りごと」から最適な窓口へたどり着ける導線を整えています。導入効果として、用件違いの入電が減って呼量削減・転送数削減につながったようです。
さらに、応対前に用件を把握できるようになり、1通話あたり約35秒の応対時間短縮を実現した点が示されています。FAQやチャットボットなどデジタルチャネルの利用増加に貢献したという整理もされています。
出典:MOBILUS明治安田生命保険相互会社|ビジュアルIVRで最適な窓口へ、呼量削減・応対時間短縮
「あふれ呼(電話がつながらない状態)」を解消し、機会損失を防ぐために導入
オペレーターの対応が追いつかない時に、ユーザーを待たせ続けるのではなく、別チャネルへ逃がす設計にする導入シーンです。
IVRを活用して、「何をすれば解決できるか」を顧客がすぐ理解できる導線にすることで、「ピークの波」にうまく対応し、機会損失とユーザーの不満を抑えることができます。
実際の活用事例
ピーチ・ジョンはビジュアルIVRを導入し、スマホから問い合わせた利用者に対して、Webメニューで自己解決できる選択肢を提示しています。希望者にはSMSでURLを送ってWebページへ誘導する運用を行っています。
導入後の成果として、導入後3カ月で問い合わせ全体の13%が電話からメール・チャットへ移行しました。電話応対の稼働を減らして他チャネルへリソースを振り向けられた点がポイントです。また「すぐ電話したい人が不便にならないか」という懸念に対して、電話応対の満足度は影響なく高水準を維持した旨も記載されています。
出典:NTTコム オンライン「電話でなくても解決できるお問い 合わせ」をメールに13%移行し、業務効率化とユーザー利便性の向上に貢献
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?

IVR導入にかかる料金と費用相場は、導入と活用規模によって大きく変動します。自社が求める範囲を明確にし、適切な価格帯で比較しましょう。費用目安は、以下の利用規模にを参考にすると整理しやすいです。
利用規模 | 月額料金目安 | 初期費用 | 用途のイメージ |
|---|
小規模利用 | 3,000〜10,000円程度
| 0〜50,000円程度 | ・代表電話の一次受付 ・窓口数:〜5席程度 |
中規模利用 | 10,000〜50,000円程度
| 0〜数十万円程度 | ・部署別の振り分け ・窓口数:5〜30席程度 |
大規模利用 | 100,000〜150,000円
| 0円〜要見積もり | ・コンタクトセンター運用 ・窓口数:30席〜 |
オンプレミス型 | 数万円〜数十万円程度 | 数十万円〜数千万円 | クラウド型を導入できない理由あり |
例えば、「まずは代表電話の一次対応だけ自動化したい」なら、低〜中価格帯のクラウドIVRから始めると導入効果を出しやすいでしょう。電話対応が売上や顧客満足に直結していて、KPIを持って改善したい企業は、連携や分析まで含めた設計が必要になります。
料金表の比較だけでなく、「自社の着信量だと月いくらか」「繁忙期に増える分の上限はどれくらいか」まで試算し、納得感のある形で稟議に落とし込むのがおすすめです。
IVRの費用は、主に「初期費用」「月額固定費用」「従量課金」「その他追加費用」に分かれます。「従量課金」は、着信件数や通話時間など、利用量よって変動する費用で、電話の仕組み上、月額固定費用とは別で設けられることが多いです。「その他追加費用」は、録音保存やSMS送信、音声認識などの追加機能の利用料として発生することがあります。
費用が増減しやすいポイント
- 同時に受けられる着信数(回線数):繁忙期に上げると月額が上がる場合があります
- 通話に関する従量課金:着信料・通話料が発生するプランもあるため要確認です
- 録音・文字起こし・SMSの機能利用:便利なほど従量が増えやすい項目です
- 外部連携:CRMやヘルプデスク連携がオプション扱いのこともあります
- 運用代行・設定変更:自社で触れない場合、改修のたびに外注費が発生しがちです
見積もりの段階では、月間の着信件数と平均通話時間を仮置きして、複数社で同じ前提で試算するのがコツです。「費用が読みにくい」と感じる場合は、まず「削減したいムダ」を整理してみてください。
IVRは「月額が安いから」と勢いで決めると、通話料やオプション費用が積み上がって想定より高くなることがあります。多少月額が高く見えても、運用工数や取りこぼしが減って結果的に得をするケースも少なくありません。比較の軸を揃えたうえで、トータルコストで判断しましょう。
まとめ|IVRで電話対応を「仕組み化」して取りこぼしゼロへ
電話対応は忙しいほど「つながらない」「取次ぎで手が止まる」「折り返し漏れ」が起きやすく、気づかないうちに機会損失と現場負担が積み上がります。IVRは問い合わせ口を整え、一次対応を自動化することで、用件の振り分けや案内を一定品質で回せるようにするシステムです。
予約・受付の無人化、FAQへの誘導、混雑時のコールバック受付まで組み合わせれば、電話の総量を抑えつつ必要な問い合わせだけを確実に人へつなげられます。さら にCRMやチャットと連携できれば、対応履歴が残り引き継ぎもスムーズです。まずは課題を洗い出し、一次受付から小さく始めて改善を回してみてください。電話対応を「頑張り」から「仕組み」へ変える一手になります。
IVR(自動音声応答システム)の導入は初めてですか?
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