AI-OCRのおすすめサービス10選!データ管理を効率化
更新日 2024年12月25日
AI-OCRは、手書き文字や印刷された活字を自動でデジタルデータに変換し、業務効率を大幅に向上させる技術です。しかし、数多くのサービスが存在する中で「どのサービスが自社に最適か判断できない」「精度やコスト、システム連携の違いが分からず不安」といった課題を抱える企業は多いでしょう。そこで本記事では、2024年最新でおすすめのAI-OCR10選を厳選し紹介します。さらに、AI-OCRの体験レビューをスクリーンショット付きで掲載。「操作性」や「認識精度」をレビューしていますので、AI-OCR導入を検討 中の企業はぜひ参考にしてください。
AI-OCRとは、人工知能(AI)を活用した文字認識技術で、従来のOCRに比べ、より高い精度で手書き文字や複雑な書類のデジタル化を可能にする技術です。
AI-OCRを導入することで、書類の自動処理やデータ入力作業の効率化、さらに業務全体の生産性向上が期待できます。導入にあたっては、自社の業務に適したサービスを選定するためにいくつかのポイントを押さえることが重要です。
- クラウド型かオンプレミス型か
- 読み取り可能な書類、処理できる枚数を確認
- 帳票の自動仕訳など自社に必要な機能はあるか
- RPAや基幹システムとの連携に対応しているか
- 無料トライアルでAI-OCRの操作性・認識精度・時間を比較
- 導入費用・月額料金を確認
AI-OCRには、クラウド 型とオンプレミス型の2つの導入形態があります。
比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
---|
特徴 | サービス提供会社のサーバーにアクセスして利用 | 自社サーバーにシステムを設置して利用 |
利用環境 | 〇オンライン環境があれば場所を問わず利用可能 | △社内での利用に限られる |
バージョンのアップデート | 〇自動 | △手動 |
コスト | 〇導入コストが安い | △導入コストが高額 |
セキュリティ | △サービス提供側に依存する | 〇自社で対策できるため強固 |
クラウド型はインターネット環境があればどこからでも利用でき、初期コストが抑えられ、導入が比較的容易です。また、バージョンアップデートが自動で行われ、常に最新の機能を利用できる点も大きな特徴です。しかし、インターネット接続が必要なため、利用は通信環境に依存します。
一方、オンプレミス型は自社サーバーにシステムを設置するため、セキュリティ面での安心感が高く、大量のデータを扱う企業に適しています。ただし、初期導入コストが高く、アップデートも手動で行う必要があります。
AI-OCRはサービスによって読み取り可能な書類や、1ヶ月で処理できる枚数が異なります。納品書や注文書といった「定型帳票」に加え、請求書や契約書、名刺といった「非定型帳票」への対応、さらに手書き文字や縦書き文字の読み取り精度も比較する必要があります。サービスによって、活字に強いAI-OCRや、手書き文字の認識精度が高いAI-OCR、丸囲みやチェックボックス、バーコードまで読み取りできるAI-OCRなど、強みは異なります。
また、1ヶ月で処理できる枚数も重要です。多くのAI-OCRは、プランごとに1ヶ月あたりの処理可能な枚数が異なり、大量処理を行う企業向けには枚数無制限のプランを用意しているサービスもあります。自社が読み取らせたい帳票の種類と業務量に合わせたサービス選定が求められます。
AI-OCRは、自社が必要とする機能が揃っているかも比較ポイントです。特に経理業務で便利な「帳票の自動仕訳機能」は、帳票に記載されたデータを読み取り、自動で仕訳(どの費用がどの勘定科目に属するか)を行うものです。自動仕訳機能があれば、手動で仕訳をする手間が省け、ミスの防止にもつながります。
また、「透明テキストPDF機能」は、紙の帳票をPDF化する際にテキストを埋め込み、後から検索や分析ができる機能です。文字検索が可能になるため、書類の検索や管理の効率化に役立ちます。企業の課題を洗い出したあとに、業務で自動化・効率化したい範囲を明確にして必要な機能に優先順位をつけることがおすすめです。
AI-OCRを導入する際、自社で導入済みのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や基幹システム(ERP)との連携に対応しているかも重要な比較ポイントです。AI-OCR単体では、書類のデジタル化とデータ抽出がメインの機能ですが、RPAや基幹システムとの連携で、「抽出したデータを業務システムに入力していく作業」の自動化が行えます。RPAにより、会計ソフトのような基幹システムへの登録作業までを完全に自動化できるため、経理担当者の負担を軽減し、手入力によるミス防止も可能。また、RPAはエラーが発生時の対応も自動化できるため効率的です。自社の業務フローに合わせたシステム連携ができるかも確認しておきましょう。
無料トライアルでAI-OCRの操作性・認識精度・時間を比較
AI-OCRを導入する前には、無料トライアルを活用して操作性や認識精度、処理速度を確認しましょう。操作性は日常業務の効率に直結するため、実際に操作し、誰でも直感的に使えるかを確認することがおすすめです。また、各社のAI-OCRの認識精度は、帳票の種類や文字のフォーマットによって差が出るため、自社が利用している書類フォーマットで認識精度を試すことが重要です。実際に読み取らせたい帳票をどれだけ正確に読み取れるかを確認することで、導入後のトラブルを防ぐことができます。多くのAI-OCRは無料トライアル期間を設けているため、ぜひ活用してください。
AI-OCRを導入する際には、導入費用や月額料金を比較しましょう。クラウド型とオン プレミス型では、発生する料金が異なります。
比較費目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
---|
初期費用 | 無料~10万円ほど | 10万~数十万円ほど |
月額料金 | 3万~20万円ほど | 無料ただし、保守管理費用やカスタマイズ費用は発生 |
クラウド型AI-OCRは月額料金が低めに設定され、初期費用も抑えられますが、データ量や機能によって追加費用が発生することがあります。従量課金制を採用しているサービスもあり、使用した分だけ料金を支払う仕組みのものもあります。
一方、オンプレミス型AI-OCRは初期費用が高額ですが、企業によっては長期的な運用でコストメリットが出るケースもあります。自動化によって削減できる工数や時間と、ツール導入にかかるコストが見合っているかを比較検討し、自社にとって費用対効果が高いAI-OCRを選びましょう。
ここからは実際に、料金や機能を比較して、おすすめのAI-OCRを紹介します。人気があるAI-OCRサービス一覧表をご覧ください。
サービス名 | 導入形態 | 初期費用 | 月額料金 | トライアル・デモ |
---|
DX Suite | クラウド/オンプレミス | 無料~20万 | 3万~ | 無料 |
SmartRead | クラウド/オンプレミス | 無料 | 3万~ | 有 料:3万円/1ヶ月 |
スマートOCR | クラウド/オンプレミス | 要問合せ | 要問合せ | 無料 |
eas(イース) | クラウド | 要問合せ | 5万~ | 有料 |
AIスキャンロボ® | クラウド | 要問合せ | 要問合せ | 有料:3万円~/1ヶ月 |
FROG AI-OCR | クラウド | 要問合せ | 要問合せ | 無料 |
LINE WORKS OCR | クラウド | 無料 | 5万5,000円~ | 無料 |
DEEP READ | クラウド/オンプレミス | 要問合せ | 要問合せ | 無料:2週間 |
DynaEye 11 | オンプレミス | 50万4,000円~ | - | 無料:60日間 |
AnyForm OCR | オンプレミス | 要問合せ | 要問合せ | 無料 |
上記比較表をご覧の通り、「DX Suite」「SmartRead」「スマートOCR」「DEEP READ」はクラウド型・オンプレミス型の両方を提供し、企業のニーズによって選択可能です。初期費用無料で始められるサービスもあり、導入コストを削減したい企業にはおすすめ。多くのAI-OCRが無料トライアルを提供しているので、本格導入前に認識精度や操作性を確認してみましょう。
ここでは、おすすめのAI-OCRを厳選し、2024年現在人気のサービス10選を紹介します。
- DX Suite
- SmartRead
- スマートOCR
- eas(イース)
- AIスキャンロボ
- FROG AI-OCR
- LINE WORKS OCR Reader
- DEEP READ
- DynaEye 11
- AnyForm OCR
DX Suite
AI inside株式会社
出典:DX Suite https://dx-suite.com/
DX Suite(DXスイート)は、AI inside株式会社が提供するAI-OCRです。国内市場シェアNo.1(※)を誇り、信頼性の高さから金融系企業での導入実績も豊富。紙やPDF、画像ファイルを迅速にデジタル化し、活字や手書き文字、縦書き文字にも対応する点が特徴です。
多様なフォーマットを読み取り、自動でデータ入力を行います。他社製品と比較し ても、業界最高水準の認識精度と、ユーザーフレンドリーなインターフェースをそなえている点がおすすめ。APIやRPAを通じて他システムと連携可能。
1ヶ月のトライアル期間もあり、企業に合わせた価格プランを提案しています。初期費用はLiteプランであれば無料。月額料金は30,000円(税抜)〜です。
※デロイト トーマツ ミック経済研究所(2023年4月18日発刊)「OCRソリューション市場動向2023年度版」による
主な機能
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
SmartRead
株式会社Cogent Labs
出典:SmartRead https://www.cogent.co.jp/
SmartReadは、株式会社Cogent Labsが提供するAI-OCR。従来のOCR技術を超え、99.2%という高精度で文書の自動読み取りを実現する次世代AI-OCRシステムです。
「帳票自動仕分け機能」を搭載している点が大きな特徴で、複数種類の文書の読み取り識別後、自動で仕分けまで行います。出力形式がExcel、CSV、サーチャブルPDFなど多様なこともメリット。APIやRPAとの外部連携機能も充実しており、データ化後の効率的な活用が可能です。
企業ごとのニーズに合わせた柔軟な料金プランも魅力。初期費用無料、スモールプランは年額36万円なので月額3万円ほどで利用可能です。
主な機能
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
スマートOCR
株式会社インフォディオ
出典:スマートOCR https://www.smartocr.jp/
スマートOCRは、株式会社インフォディオが提供するAI-OCR。ベンチャー企業から大企業まで利用企業数は1,800社以上。官公庁においても数多くの導入実績があります。
ディープラーニングによる文字認識エンジンが特徴で、非定型帳票を含む幅広い書類や画像データ、手書き文字から文字情報を正確かつ迅速に抽出し、自動的にデジタル化。他社と比較した際の強みは、独自のAI技術活用により文字認識精度99.8%を実現し、紙帳票データ化システムの特許を取得していること。高度な表認識も可能で、位置指定なしで複雑な表データや、複数行項目のデータ化が可能です。
また、業界標準を超えるセキュリティ対策が施されており、機密情報を含む書類の取り扱いにも安心です。無料トライアルを提供しているため、導入前に機能や操作性を確認できます。
主な機能
- AI読み取り機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
eas
株式会社うるるBPO
出典:eas https://www.uluru-bpo.jp/
eas(イース)は、株式会社うるるBPOが提供するAI-OCR。AI-OCRとオペレーターによる入力の組み合わせにより、印字・手書きが混在する書類も正確に処理可能。99.98%の高精度を実現するデータ化サービスです。
クラウドワーカーと連携することで、24時間365日の対応を実現。ボリュームのある作業もスピーディにデータ化し、1,000枚程度の書類なら平均1時間以内に納品できます。他社のAI-OCRツールでは難しい非定型書類にも対応し、データ化のカスタマイズ性 が高いのが特徴。
トライアルプランも提供し、文字認識精度を試してみたい企業にもおすすめ。初期費用は要お問い合わせ、月額料金は5万円(税抜)からです。
主な機能
- AI読み取り機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
AIスキャンロボ®
ネットスマイル株式会社
出典:AIスキャンロボ® https://netsmile.jp/
AIスキャンロボ®は、ネットスマイル株式会社が提供するAI-OCRです。従来のOCRでは困難だった複雑な帳票や多様なフォーマットを、高精度なAI技術を活用して自動的に読み取ります。
多機能なことが特徴で、特にテンプレート自動識別機能や多言語対応機能などが強み。識別可能な言語は、日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・タイ語の全5ヵ国語。
クラウド型サービスのため、常に最新の機能が提供され、バージョンアップデートも自動でしてくれる点がおすすめ。利用料金は要お問い合わせのため見積もりをとって確認しましょう。
主な機能
- AI読み取り機能
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
出典:株式会社モルフォAIソリューションズ FROG AI-OCR 公式サイト
FROG AI-OCRは、株式会社モルフォAIソリューションズが提供するAI-OCRです。高精度なAI-OCRサービスで、他社のAI-OCRサービスと比較して、明治から昭和初期の旧字体や手書き文字、複雑なレイアウトの文書を正確にデジタル化できる点が特徴。縦書き文字の読み取りや、多段組の新聞や雑誌、図表を含む書籍など、多様な形式の資料にも対応しています。さらに、透明テキスト付きPDFの作成が可能で、文書の検索やデータ管理が容易です。直感的な操作で使えることもおすすめで、初心者の方でも簡単に利用できます。
精度の高さと操作性の良さから、多くの企業や自治体、教育機関、図書館などでの導入実績があります。無料デモアカウントも提供し、30枚分の文書を無料で試用可能です。
出典:LINE WORKS株式会社 LINE WORKS OCR 公式サイト
LINE WORKS OCRは、LINE WORKS株式会社が提供するAI-OCRです。多言語対応や手書き文字の認識に優れ、複雑なレイアウトの文書でも正確にデータ化できます。他社のAI-OCRサービスと比較して、LINE WORKS OCRは初期費用が無料で、1枚あたり最大50項目までの定額課金制を採用していることが特徴。項目数が多い書類でもコストを抑えて利用可能です。事前設定不要で多様な書類に対応する「特化型OCR」や、全文認識・表抽出が可能な「Generalプラン」など、用途に応じたプランが用意されています。
LINE WORKS OCRは、請求書や領収書、各種申込書など、多様な書類のデータ化に対応し、業務効率化やデータ入力の自動化を目指す企業におすすめの高精度AI-OCRです。
出典:株式会社EduLab DEEP READ 公式サイト
DEEP READは、株式会社EduLabが提供するAI-OCRです。ディープラーニングを活用し、手書き文字の高精度な認識を実現。他社のOCR技術と比較しても、特に手書きの認識精度が高く、金融業界や医療機関、教育機関など幅広い分野で利用されている点もおすすめ。英語・中国語(簡体字)の他、10種類以上の言語に対応していることも強み。クラウド型とオンプレミス型に対応し、大量のデータ処理や業務効率化が可能です。利用料金は要お問い合わせ、無料トライアルは2週間用意しています。
出典:株式会社PFU DynaEye 11 公式サイト
DynaEye 11は、株式会社PFU が提供するAI-OCRです。オンプレミス(パッケージ)型OCRの国内シェアNo.1※のAI-OCRで、導入実績累計7,900社以上。自治体・製造・医療をはじめ、多くの業種で利用されています。文字認識精度99.2%で、癖の強いフリーピッチの日本語手書き文字や、枠外にはみ出した文字、取り消し線、押印を 含む記入など、認識が困難な文字も高精度に認識。
特徴は「ベリファイOCR機能」をそなえていること。異なる2つのOCRエンジンにより認識結果を自動で突合。作業者は一致しない結果だけを確認すれば良く短時間で確認作業が完了します。また、オンプレミスのため個人情報を扱う業務でも情報漏えいのリスクがありません。60日間全機能が試せる無償評価版も提供。4つの料金プランから自社に合った規模のプランを選べることもおすすめ。
出典:株式会社ハンモック AnyForm OCR 公式サイト
AnyForm OCRは、株式会社ハンモックが提供するAI-OCR。帳票・注文書・請求書の電子データ化ツールです。特徴は、AI-OCR特許技術「WOCR」を搭載し、99.97%の高い認識精度を実現している点。2つの性質の異なるOCRエンジンを用いることで高精度なOCR結果を得られます。そのため、人による確認工数を大幅に削減可能。
他社製品と比較しても、ノンプログラミングで誰でも簡単に帳票設計が可能で、現場の運用負担を軽減する機能が豊富です。幅広い出力形式に対応していることもメリット。また、RPAやFAX受注システムとの連携機能も充実し、データ入力業務の効率化に優れています。利用料金は、年間契約のサブスクリプションライセンスと一括買い取りライセンスから選択可能。
AI-OCRの体験レビュー①FROG AI-OCR
ここでは、株式会社モルフォAIソリューションズが提供するFROG AI-OCRの体験レビューをします。下記の表は、体験レビューのサマリーです。
レビュー項目 | FROG AI-OCR |
---|
トライアル期間 | 特に期限なし(上限:30枚まで無料) |
操作性 | シンプルで直感的。初めてでも操作しやすい。 |
認識精度 | 縦書き、手書き文字も読み取り可能。 |
読み取り可能なファイル形式 | PDF、JPG、PNG |
出力(ダウンロード)形式 | txt、PDF(透明テキストPDFも可能※)、json、word |
出典:株式会社モルフォAIソリューションズ FROG AI-OCR 公式サイト
※透明テキストPDFとは、PDFに透明のテキストデ ータを重ねたもの。透明のテキストが付与されているので検索や分析ができる。
FROG AI-OCRを端的にレビューすると、シンプルで、説明書なしでも操作に迷うことなく利用可能なAI-OCR。その上、認証精度は高いです。操作性と認識精度については、画面キャプチャもあわせて以下で詳しくレビューします。
FROG AI-OCRの操作性は、シンプルで直感的、かつ簡単です。ここでは、FROG AI-OCRの操作性を画面キャプチャとともに解説します。
①ログインするとアップロード画面が表示されます。読み取り(入力)は、対象のファイルをドロップ、またはファイル選択でアップロードします。
②ファイルをドロップ(または選択)したら、「文書名」に名称を記載します。「前処理」にチェックを入れることで、画像を分割することも可能。「OCRエンジン」では、定型帳票・非定型帳票を読み取る場合、「帳票・手書きモード(β版)」を選択します。アップロードのボタンをクリックすると、読み取りを開始します。
③アップロードが完了すると上記表示となるため、「OK」をクリック。
④左側のメニュー「文書一覧」をクリックすると、読み取りした文書を一覧で確認できます。
⑤文書名をクリックすると上記画面が表示されます。文書をクリックすると読み取り結果の詳細を見れます。
⑥上記が「請求書」の読み取り結果の詳細です。
⑦修正が必要な箇所があれば、テキストを修正できます。
⑧テキストを修正した場合は、「校正結果保存」をクリックして校正内容を保存しましょう。赤文字で「保存されました!」が表示されます。
⑨右上の「テキストダウンロード」をクリックすると、ダウンロードが可能です。
⑩PDFを透明テキスト付き※にしたい場合には、「文書一覧」>該当文書にチェックを入れる>「透明テキスト付きPDF作成」をクリックすると作成が開始します。
(※透明テキスト付きPDFとは、透明のテキストデータを重ねたPDFのこと。透明のテキストを付与しているのでテキスト検索が容易になる。)
⑪作成完了したら、「文書一覧」>該当文書をクリック>「透明テキスト付PDFダウンロード」をクリックで、ダウンロードが可能です。
FROG AI-OCRは、初心者でも簡単に操作でき、説明書を一切見なくても利用を始められるツールです。ITツールに慣れていない人や、AI-OCR導入が初めての企業にもおすすめと言えます。
FROG AI-OCRの認識精度は、高精度でスピーディー。縦書き文字も高い精度で読み取り可能です。ここでは、FROG AI-OCRの認識精度を画面キャプチャとともに解説します。
①請求書のAI-OCR読み取りは数秒で完了。上記は、請求書の読み取り結果の画面です。
②読み取り結果を拡大してみると、漏れなく赤枠で囲われすべての文字を認識し、読み取りを実行していることがわかります。
③変換されたテキスト(右側)と照らし合わせたところ、すべて相違なくテキスト化できていました。
④FROG AI-OCRは、公式では「図内文字、表内文字はOCRの対象外」とのことですが、上記のような囲み枠内の文字は問題なく認識可能です。
⑤次に縦書き文字の認識精度を確認します。FROG AI-OCRは、縦書き文字も高い精度で読み取り可能です。上記の縦書き名刺も、数秒でAI-OCR読み取りを完了。上記のように、縦書きと横書きが混在していても認識可能で、「漢字」「アルファベット」「カタカナ」も識別できます。
⑥裏面もすべて認識できていました。
FROG AI-OCRは、元々、国立国会図書館からの受託で、書籍画像 (2億枚)のテキストデータ化のために開発された高度なソフトウェアです。そのため、手書き文字の認識精度は極めて高く、複雑なレイアウトで編集された文書もテキストデータ化が可能です。今回、社内にて縦書きの手書きビジネス文書を読み取りしたところ、高い精度で認識できていました。
FROG AI-OCRは、初心者でも簡単に操作でき、定型帳票や非定型帳票、縦書き文字・手書き文字を高精度に認識するツールです。読み取り速度もスピーディーで、数秒~15秒程度でテキストデータ化が可能。特筆したいのは、「透明テキストPDF機能」があるため、検索が容易になること。透明テキストPDF機能搭載のAI-OCRは限られるので、検索や分析を便利にしたい企業にはおすすめです。
また、公式では「図内文字、表内文字はOCRの対象外」とのことですが、今回のトライアルでは請求書のような非定型帳票内の、表内の文字は問題なく認識できました。ただし、複雑な表を含む文書を読み取りたい企業は、トライアルで認識精度を確認することをおすすめします。FROG AI-OCRは以下のような企業や機関に特に最適です。
- 定型帳票に加え、縦書き・手書き文書を含む非定型帳票も読み取りたい企業
- PDFを透明テキスト付きで作成し、検索や分析を便利にしたい企業
- 文書や資料のデジタル化・解析を行いたい教育機関や公共施設
- 大判資料や郷土資料をデジタルアーカイブ化したい地方自治体
AI-OCRの体験レビュー②LINE WORKS OCR Reader
ここでは、株式会社が提供するLINE WORKS OCR Readerの体験レビューをします。下記の表は、体験レビューのサマリーです。
レビュー項目 | LINE WORKS OCR Reader |
---|
トライアル期間 | 30日間無料 |
操作性 | 簡単でスムーズ |
認識精度 | 縦書きの文字も読み取り可能。 |
読み取り可能なファイル形式 | PDF、JPG、PNG、TIFF上記形式のZIPファイルも読み込み可能 |
出力(ダウンロード)形式 | CSV、テキスト、表形式 |
LINE WORKS OCR Readerを端的にレビューすると、分かりやすいマニュアルが用意されており誰でもスムーズに作業を完了できるAI-OCRです。操作性と認識精度については、画面キャプチャもあわせて以下で詳しくレビューします。
LINE WORKS OCR Readerの操作性
LINE WORKS OCR Readerの操作性は、簡単でスムーズ。分かりやすい画面デザインが特徴です。ここでは、LINE WORKS OCR Readerの操作性を画面キャプチャとともに解説します。
①LINE WORKS OCR Readerを利用するには、LINE Business IDでログインします(LINE Business IDの登録が必要です)。
②ログインすると「文書一覧」ページが表示されます。ファイルの読み取りは 、右端のボックス内に、ファイルをドロップ、またはファイル選択をしてアップロードします。
③定型帳票(納品書・注文書・申込書など)の場合、「Template OCRプレートを利用」を選択し、「登録」ボタンをクリック。
④数秒で読み取りが完了し、右下に「ファイルの登録完了」が表示されます。
⑤左上メニューの「文書一覧」を再度クリックすると、文書一覧に先ほどアップロードした文書が表示されます。
⑥文書名をクリックすると、読み取り結果が表示されます。右側でテキストを修正でき、上部のボタンから、「一時保存」や「ダウンロード」 が可能です。
⑦「一時保存&結果のダウンロード」をクリックすると、上記の出力設定が表示されます。必要に応じて設定し、「出力」をクリックすると、CSVファイルがダウンロードできます。
LINE WORKS OCR Readerのトライアルには分かりやすいマニュアルがあるため、AIツール初心者でも間違うことなく作業を進められます。操作性もよく、スムーズに利用できました。
なお、LINE WORKS OCR Readerのトライアルで読み取り可能な定型帳票は、同社が指定した3つの帳票に限られるようです。トライアル申込後に配布されるマニュアルから、指定の帳票(納品書2点、申込書1点)をダウンロードして利用します。
LINE WORKS OCR Readerの認識精度
LINE WORKS OCR Readerの認識精度は、高速、かつ高水準。ここでは、LINE WORKS OCR Readerの認識精度を画面キャプチャとともに解説します。
①請求書のAI-OCR読み取りは数秒で完了。上記は、請求書の読み取り結果の画面です。
②読み取り結果を拡大してみると、緑色の囲み枠で囲われていない箇所がいくつか見られ、すべての文字は認識できていないようでした。
③変換されたテキスト(右側)と照らし合わせたところ、すべて相違なくテキスト化できていました。
④なお、「申込書」を読み取りでは、チェックボックスへの「チェックの有無」も認識できていました。
⑤次に縦書き文字の認識精度を確認します。LINE WORKS OCR Readerは、縦書き文字も認識可能。上記の縦書き名刺も、数秒でAI-OCR読み取りを完了。上記のように、縦書きと横書きが混在していても認識し、「漢字」「アルファベット」「カタカナ」も識別できます。
⑥裏面は、一部数字が認識できていませんでしたが、それ以外はすべて正確に認識できていました。
LINE WORKS OCR Readerを体験した感想
LINE WORKS OCR Readerは、表を含む非定型帳票もすばやく読み取れるAI-OCRです。請求書や見積書、縦書き文字などもスピーディーに認識します。読み取り可能なファイル形式が、PDF・JPG・PNG・TIFFと幅広いことも特徴。分かりやすいマニュアルが準備されているので、初心者でも間違うことなくダウンロードまで完了できます。認識精度は高水準ですが、非定型帳票はトライアルを活用して、認識精度を確認することをおすすめします。LINE WORKS OCR Readerは以下のような企業に特におすすめです。
- PDF・JPG・PNG・TIFF・ZIPファイルを読み取りしたい企業
- ボックスのチェックマークの有無を認識したい企業
- 表内の文字・数字を読み取りをしたい企業
AI-OCRとは、AI(人工知能)の学習機能を活用した光学文字認識(OCR)技術です。紙媒体、PDF、画像内の文字を自動でデジタルデータに変換するツールとして利用されています。AIを搭載しているため、手書き文字や複雑なレイアウトの書類も高精度で読み取り、幅広い文書をデジタル化できるのが特徴。
企業はAI-OCRを導入することで、請求書や契約書のデータ変換が自動化され、業務効率が向上します。さらに、作業時間の短縮や入力ミスの軽減により、コスト削減や業務全体の精度向上も期待できます。特に人手不足の解消やペーパーレス化を目指す企業にとって、AI-OCRは有用なツールです。
AI-OCRと従来のOCRは、どちらも書類の文字をデジタルデータに変換する技術ですが、搭載する機能や対応可能な書類の種類、精度には大きな違いがあります。
比較項目 | AI-OCR | OCR |
---|
読み取り可能な帳票の範囲 | 定型帳票、非定型帳票、手書き文字、縦書き文字、丸囲み、チェックボックス、バーコード、図表 | 定型帳票、活字、バーコード |
精度向上 | 〇 | × |
文脈を考慮した読み取り | 〇 | × |
RPAとの連携 | 〇 | × |
まず、「読み取り可能な帳票の範囲」の違いに関して、従来のOCRは定型帳票や活字、バーコードに対応していますが、非定型帳票や手書き文字、縦書き文字、丸囲み、チェックボックス、図表の読み込みには非対応です。一方、AI-OCRはこれらすべてに対応しており、より柔軟に書類をデータ変換できます。
次に「精度向上」の違いは、従来のOCRは一度設定したルールに基づいて動作し、学習機能がないため精度が向上することはありませんが、AI-OCRは学習機能により使用するたびに認識精度が向上します。さらに、「文脈を考慮した読み取り」もAI-OCRの強みで、単純な文字認識だけでなく、文脈や前後関係を理解して、より正確なデータ抽出が可能です。従来のOCRでは文脈を考慮することができないため、これも大きな違いと言えます。
「RPAとの連携」においても、AI-OCRはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とスムーズに連携し、他の業務プロセスと組み合わせて自動化できる一方、従来のOCRではこうした連携は難しくなります。AI-OCRは単なる書類のデジタル化にとどまらず、業務全体の効率化に貢献するツールとして活用されています。
デロイト トーマツ ミック経済研究所によると、AI-OCRの市場動向は、2021年度は105億円で対前年比107.6%、2022度は132億円で対前年比126.5%という結果でした。2023年度と2024年度も、AI-OCRの伸びは好調で市場は拡大する見込みとのことです。
AI-OCRが高成長している理由として、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が挙げられています。請求書や領収書といった定型帳票の読み取りニーズへの対応に加え、従来のOCRでは認識できなかった非定型帳票の対応ニーズが高まっており、好調が続く見込みとのことです。
出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所『
OCRソリューション市場動向 2024年度版』
AI-OCRが使えないケースとは?欠点と導入時の注意点
AI-OCRは高性能ですが、欠点もあります。ここではAI-OCRが使えないケースとして欠点を解説し、導入時の注意点もあわせて説明します。
- 文字認識率は100%ではないため、完全自動化はできない
- 読み取れない書類もある
- 縦書き・手書き文字を認識できるAI-OCRは限定的
文字認識率は100%ではないため、完全自動化はできない
AI-OCRの技術は進化しており幅広い書類に対応していますが、認識率が100%に達することはありません。特に、汚れやかすれのある書類、手書き文字のクセが強いもの、解像度の低い画像では、誤認識が発生します。そのため、AI-OCRを使用しても、すべての作業を完全に自動化することは難しく、目視での確認作業や修正が必要な場合があります。AI-OCRを導入する際は、認識率が100%ではないことを前提にし、確認や訂正を業務フローに組み込みましょう。
AI-OCRによっては確認や修正まで行ってくれるサービスもあるため、人材が不足している企業はこういったサービスの利用もおすすめ。その他の対策としては、認識精度が高く導入実績の豊富なAI-OCRを検討する、無料デモを複数のサービスで利用し読み取りの確信度が高いサービスの導入を検討する、などが挙げられます。
現在の多くのAI-OCRは、書類の形式をあらかじめ設定しておくことで、正確に文章を読み取れる仕組みです。そのため、サービスによっては書類ごとに読み取る箇所を事前に指定しないと、正確な読み取りができないケースも存在します。さらに、システムによっては帳票のレイアウトやフォーマットを事前に登録しておく必要があり、非定型帳票や複雑なフォーマットの書類では、追加設定が必要になることもあります。
こうした点を踏まえて、使用する書類の種類に応じたAI-OCRの選定が重要です。サービスによっては、個別のニーズに応じてシステムの開発をしてくれるものや、カスタマイズに柔軟に対応可能なものもあるため、事前に各サービスを確認しておきましょう。
縦書き・手書き文字を認識できるAI-OCRは限定的
AI-OCRは多くの書類や文字認識に対応していますが、縦書きや手書き文字の認識に関しては、すべてのサービスが同じ精度を持っているわけではありません。特に、手書き文字に対応するAI-OCRでも、文字の崩れや独特の筆跡によっては認識ミスが発生しやすくなります。また、縦書きの文書や特殊なフォーマットの帳票には対応していない場合もあり、注意が必要です。対策としては、事前にどのフォーマットに対応しているかを確認する、デモを活用して認識率を確認するなどが有効です。
まとめ:OCR導入で入力ミスや処理工数を削減し、業務効率化を実現しよう
AI-OCRの導入は、手作業のデータ入力や書類処理の自動化を実現し、業務の効率化に大きく貢献します。高精度な文字認識技術により、入力ミスの削減だけでなく、処理にかかる時間も大幅に短縮され、人的リソースの有効活用が可能となります。特に、帳票の自動仕訳やシステム連携機能を活用することで、複雑な処理も簡単に自動化できるため、企業全体の生産性向上に直結します。企業のデジタル化・DX化を実現するために、各サービスを機能・費用で比較し、自社のニーズに合うAI-OCRを導入しましょう。
運営に関するお問い合わせ、取材依頼などはお問い合わせページからお願いいたします。